私のトレードにおいて、主にプライスアクションをメインにポジションを取っています。プライスアクションは基本的に分かりやすく、市場参加者の誰もが参考にしている可能性が高く、特に特定のライン等に始めて到達した際は、そこで反転したり揉み合ったりする等、何らか反応することが非常に多いです。
チャートというのは過去に遡るほどラインの数は増えていき、どこが重要なラインであるのか分かりづらくなっていきます。ただし、長めの時間足で引いた過去のラインで直近相場を見ると、現値から数百pips離れていたり、通常のトレードにはさほど影響しない間隔となる場合が多いようです。
こういう特性を活かしつつ、過去に引いた重要なラインを、たくさんになったから消すべきであるか、と問われた場合、私個人でしたら極力残して置いた方が良い、と答えます。

上は2024年7月31日朝のドル円30分足チャートです。黄色の丸では120SMAに反応して反発していることが確認できます。これは良くある移動平均線を使った反発トレードにも応用できる単純なトレード手法です。

一方、拡大してみると、白の丸でも反発が見られます。緩やかな斜めの紫色のラインに反応しています。これは何のラインなのでしょうか。

ここでチャートを週足に切り替えてみると、先ほどの紫色のラインは過去に引いていた大きな上昇チャネルの上限線に該当するものでした。ちなみにドル円の上昇に伴って青のサポートライン(チャート上では上昇トレンドライン)が確認できています。すなわち、ここを割るまでは円安トレンドが終了したとは言えない、という明確なラインです。

そこで、2024年7月31日のお昼頃に、日銀の金融政策決定会合で追加利上げが決定しました。上のチャートでは一旦大きく反発しましたが、先ほどのチャネルの上限線にブロックされて、再度急落しているのがうかがえます。

そのときにポストしていた内容が上の通りです。それまでチャネルの上のゾーンで推移していましたが、決定会合で越えることができずに大きく下げてきましたので、どうやらこのチャネルの中に入り込んできたのではないか、と推測しています。
その後、円高は大きく進展し、8月1日に先ほど示した上昇トレンドラインまで下落しています。

若干髭先は抜けていますが、この上昇トレンドラインで下げ止まったと言えるかと思います。当面の安値ではないでしょうか。
この下げ止まりは過去のラインを残していたから気が付いた訳でして、仮に相場が大きく下げている中で、このラインが見えていれば、できるだけ引きつけて円買いポジションの利食い決済、あるいは新規の押し目買いポイントになれたことでしょう。
過去に分析したライン全てを残す必要はありません。過去のラインほど目立つものに絞る必要があると思います。一方で、実際のトレードで重要となるのは直近1~2ヶ月くらいの間に付けたピークやトレンドラインです。ここは事前にしっかりと分析し、納得がいくように調整しておくべきだと思っています。
なお、これらの過去のラインはMT4のチャート上で引いたものですと微妙にズレが生じます。MT4を再起動したり、時間足を変更したりすると、新規相場での高値安値に微調整してしまう場合があり、一々修正しなければならなくなります。
このような不具合(?)を回避するために、TradingViewのご利用をお奨めします。簡易的な分析ではMT4のデモ口座で十分ですが、TradingViewですと時間足を切り替えても一度引いたラインは位置が変わることはありません。過去に引いたラインが変わってしまうとトレードにおいては致命的になりますので、完璧なプラットフォーム選びは非常に重要です。実際に使用されて実感していただくとよろしいかと思います。
【参考】下落過程において、途中でフィボナッチリトレースメントの161.8%水準で下げ止まったのは特筆すべきことです。結果的に抜けていきましたが、トレードでのセオリーとしてはここで利食い、または打診買いのタイミングではないかと思います。(リバウンドのピークが138.2%であることも興味深いところ)

